東大寺のHPの翻訳がMTを使ったばかりに誤訳だらけになってしまった、という新聞記事を読んだ(著作権の関係上、記事は掲載いたしません)。
以前は、委託業者に1言語に付き150万円支払っていたが、自動翻訳システム(MT?)にしたところ全言語(何言語あるか不明)で35万円になったそうだ―余談だが、1言語に付き150万円が落札価格だったようだ。
この記事だけを読むと、MTにご理解がない方は「やはりMTはまだまだ使い物にならない」とおっしゃるだろうが、私なりに原因を掘り下げてみたい。
記事には、「固有名詞の読み方もあらかじめ登録していなかったことからミスが続出、確認作業も怠っていた」という風に書かれている。恐らく担当者のMTに関する理解は「どんな言語でもスイッチ1つで翻訳されるのだろう」程度だったのではないだろうか。この程度の理解はなにもMTだけではなく通訳や翻訳に関しても同じことが言える。通訳や翻訳をご存じない方は、「どんな言語でも通訳者や翻訳者にかかれば他の言語に入れ替わるのだろう」とおっしゃる。
MTをうまくビジネスに活用するためには、下準備が必要だ。MTが理解しやすり文法に従って原文を作成するとか、コーパスを大量に獲得するとか、適切なMTエンジンを利用するとかだ。
この記事を読む限り、HPの翻訳は失敗したようだが、HPをMTで作成して大成功している例も数多くあるので、「MTは使い物にならない」という誤解だけは止めていただきたい。
TAUS Tokyo Executive Forum ではMTで最高した事例が数多く紹介されていた。
追記:記事には、「機械翻訳」とは書かれていません。「自動翻訳システム」と書かれていました。
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